「明日の記憶」(荻原浩)

広告代理店で部長をつとめる佐伯は、最近50歳を目前に物忘れの度合いが激しくなったのが気になり、仕事での疲れ過ぎからくるうつ病を疑って、妻に言われてイヤイヤながらも精神科を受診する。しかし、そこで下された診断は「若年性アルツハイマー」という、思いもよらないものだった。数ヵ月後に一人娘の結婚・出産も控えており、なんとしてでも病気の悪化を抑えたい佐伯だったが、日に日に病状は進み、仕事にも支障をきたし始める…。
映画にもなった有名作品です。いつもコミカルな作風が印象に強い荻原さんですが、これは題材のせいもあり、とても重かったです。自分の父をアルツハイマーで亡くしている佐伯が、そのときの記憶と自分を重ね合わせて苦悩するのは本当に読んでいても辛かったです。
でもさすがに、自分は佐伯とは年代が違いすぎるので、「怖いなあ」以上にはあまり入り込めなかったかも…。どちらかというと、佐伯の娘・梨恵の妊婦の描写がなんだか不自然だなー、なんてのは気になってしまったんですけどね…(^_^;)

明日の記憶

明日の記憶