2007-01-01から1年間の記事一覧

「夜明けの街で」(東野圭吾)

「不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた」30代後半の渡部。しかし、思わぬきっかけで彼は職場にやってきた派遣社員の仲西秋葉と不倫関係に陥る。最初からどことなく謎めいていた秋葉だったが、渡部は付き合っていくうちに彼女に15年前の殺人の容疑がかか…

「No.6」(あさのあつこ)

近未来の世界で、徹底的に管理された都市「No.6」に住む少年・紫苑。彼は幼児検診で「知能最高ランク」と認定されたため、最高の教育を受け、12歳にして特別コースに進んで生態学を学ぶことが決まっていた。ある嵐の夜、窓を開けていた紫苑は、市外の矯正施…

「玻璃の天」(北村薫)

「街の灯」に続く、昭和初期を舞台にしたお嬢様・英子とお抱え運転手・ベッキーさんのミステリシリーズ、第2弾です。今回は中篇作品が3篇収録されていて、前回に引き続き面白く読めました。少しずつベッキーさん自身の謎も明かされ、続きも楽しみです! やっ…

「獣の奏者」(上橋菜穂子)

十歳の少女・エリンの母は、女手一つで「獣ノ医術師」をしながらエリンを育てていたが、ある日世話をしていた戦闘用の獣・闘蛇を死なせてしまう。その責任を問われ死刑となる母を、エリンは子どもながらに助けようと追うが、長老らに見つかってしまう。母は…

「マリアンヌの夢」(キャサリン・ストー)

10歳になったばかりのマリアンヌは、病気で数ヶ月ベッドから出られない生活を余儀なくされ、家の中で日々をすごしていた。ある日、古い裁縫箱の中から1本の鉛筆を見つけ、画帳に絵を描いてみた。すると、夢の中に書いた絵とそっくりな家や風景が現れる。…

「晩夏のプレイボール」(あさのあつこ)

言わずと知れた野球小説「バッテリー」で大人気のあさのさんの、高校野球ををテーマにした短編集です。私が読まないはずがありません!(笑)やっぱり、あさのさんは野球の描写がいいですね。(少し前に陸上の物語「ランナー」を読んだんですが、「なんかや…

「チョコレート工場の秘密」(ロアルド・ダール)

貧乏な家の少年・チャーリーの住む町には、世界一有名なチョコレート工場がある。誰も中へ出入りする人を見たことがない謎の工場だったのだが、ある日所有者のワンカ氏が「5人の子どもを招待する」と発表する。ワンカ製品にたった5枚だけ入れられた招待状を…

「街の灯」(北村薫)

時は昭和初期、祖父は陸軍の大物、父は財閥系企業の社長である14歳の英子は、宮様や華族の多く在籍する学校に通っている。ある日、英子の通学用の車の運転手として、若い女性・別宮(べっく)が採用される。まだ女性が車を運転するのは少数であるこの時代、…

「風神秘抄」(荻原規子)

平安末期、16歳の草十郎は、平治の乱に源氏方として加わることになった。しかし源氏方は敗走し、草十郎の将であった源氏の長子・源義平も捕らえられ、斬首される。 敗走中にはぐれた草十郎が義平の首がさらされている京の六条河原へ行ったところ、そこで死…

「サイン会はいかが?」(大崎梢)

「配達あかずきん」「晩夏に捧ぐ」と続いてきている、「成風堂書店事件メモ」シリーズの第3弾です。本屋さんの内情がすごくよくわかるので、本好きにはたまらないこのミステリーのシリーズ、今回は最初に戻って短編集でした。やっぱり短編の方が私は好きで…

初100s!!!!!!

本日の「100s LIVE YOUR 2007 百来来!!!!!!」@両国国技館、行ってきました♪国技館ってライブできるんですねー。今回初めて知りました。思ってたより大きいんですね!数年ぶりにダフ屋も見たし(笑)。 全席指定だったので結構時間ギリギリに行ったら、私の…

「夢を与える」(綿矢りさ)

フランス人ハーフの父を持つ夕子はその可愛らしさで子どもの頃からモデルをしていたのだが、大企業のCM(夕子の成長に合わせてずっとシリーズで撮っていくという半永久契約)に抜擢され、高校入学の頃にはその知名度も全国区のものとなっていた。 そして本格…

「鹿男あをによし」(万城目学)

大学の研究室でトラブルを起こしてしまった結果、2学期から期間限定で奈良の女子校で理科教師をすることになった「おれ」。初日から反抗的な生徒がいて嫌がらせなどもされ、本格的にまいりかけていたところ、奈良公園でエサ(鹿せんべい)をやっていた鹿が突…

「ジェネラル・ルージュの凱旋」(海堂尊)

東城大学医学部付属病院の不定愁訴外来医師であり、リスクマネジメント委員長でもある田口のもとに、1通の匿名文が届けられる。それは、救命救急センター部長の速水医師が、特定の業者と癒着している、という内部告発だった。院長からも直々に依頼され、調…

「最愛」(真保裕一)

地方で小児科医をしている悟郎のもとに、東京の病院から、姉の千賀子が重体なので来て欲しい、という連絡が入る。悟郎ら姉弟は、幼い頃に両親を亡くしそれぞれ別の親類にひきとられて育った上、もう10年以上も連絡をとっていなかった。そんな千賀子は、昨…

「鴨川ホルモー」(万城目学)

「俺」こと安倍は、京都大に入学した新入生。葵祭のエキストラのバイトをした時に、「京大青竜会」という怪しげな名前のサークルから勧誘される。とりあえず新歓コンパへ参加した安倍だが、そこで同じ新入生の早良京子(の鼻)に一目ぼれし、結局青竜会に入…

「使命と魂のリミット」(東野圭吾)

研修医の夕紀は、中学のときに父を手術の失敗で亡くしたことがきっかけで医師を目指した。しかし実は、父の担当医だった西園と母が親密な関係にあったらしいため、ずっと彼らを疑い続けてきたのが理由だった。現在夕紀は西園の元で研修をしているが、ついに…

「ひな菊とペパーミント」(野中柊)

中2の結花は父と二人暮しをしているが、父と離婚した母も近くに住んでおり、比較的友好的に行き来もあるため、いずれ復縁するんじゃないかと楽観的に構えていた。しかしある日、父が結花の知らない女性と「再婚するかもしれない」と言い出し、しかも相手に…

「名もなき毒」(宮部みゆき)

今多コンツェルンの社内広報紙を作成する部署に勤務する杉村は、実は今多会長の娘と結婚しているため、彼を理解してくれる一部の身近な人たちを除いては、微妙な目で見られている。 ある日、この部署のアルバイト・原田いずみが上司とトラブルを起こして出社…

「階段途中のビッグノイズ」(越谷オサム)

大宮本田高校・軽音楽部の生徒が薬物使用によって逮捕され、部もそれに伴い廃部の決定がされる。最近はほとんど活動のなかったこの部で、唯一マトモな部員だった啓人が放心状態で機材などの片づけをしていたところ、幽霊部員の伸太郎がやってきて、啓人を引…

「失われた町」(三崎亜記)

30年に一度、ある「町」がランダムに選ばれ住民ごと失われる世界。失われた町に関するものは禁忌となり、管理局によって徹底的に排除され、「最初からなかった」ことにされるのだ。しかし「消滅」によって故郷や大切な人を失った人々は、意思を持った「町…

「ひまわり探偵局」(濱岡稔)

「わたし」は、ひまわり探偵局の名探偵・陽向万象(ひなたまんぞう)の助手をしている。今日ものんびりムーミンパパそっくりの先生と、先生手作りのお菓子でお茶を飲んでいるところへ、依頼人がやってくる…という、ほのぼのな短編集です。 殺人のないミステ…

「一瞬の風になれ」(佐藤多佳子)

新二は、小学校が同じだった幼なじみの連と同じ春野台高校に進学した。新二の兄・健一はJリーグからも誘いが来る天才サッカー選手で、新二もサッカーをがんばっていたのだが、自分の才能の限界を感じて、高校ではもう続けないことだけ決めていた。 連は中学…

初GRAPEVINE!!!

GRAPEVINE tour2007 ママとマスター(5/13@横浜BLITZ)、行ってきましたよ!!(≧▽≦)最近好きすぎてヤバいくらい(笑)のバイン、ライブは初めてです♪とりあえずセットリスト。もちろんまだ初心者の私に作れるはずもなく、某所からお借りしました。感謝で…

「ぼくのメジャースプーン」(辻村深月)

小学四年生の「ぼく」は、時々母方の血縁に出る不思議な力をもっている。それは「○○(条件)しろ。そうしないと××(罰)になる」と心から相手に言うことによって相手にどちらかを必ず選ばせる「条件提示ゲーム」の能力で、母から決して使わないようにと禁じ…

「夜は短し歩けよ乙女」(森見登美彦)

大学の同じクラブの後輩である、黒髪の可憐な乙女に恋してしまった「先輩」。彼はまだ話したこともない彼女に近づこうと、「外堀を埋める」べく「ナカメ作戦(”なるべく彼女の目にとまる作戦”の略(笑))」を実行しているのだが、なぜかいつも周辺の妙な人…

「螺鈿迷宮」(海堂尊)

留年を繰り返している医大生の天馬は、新聞社に勤務する幼なじみの葉子の依頼(命令?)で、桜宮病院へボランティアの名目で潜入することになる。この病院は画期的な終末期医療を行い話題を呼んでいる一方で、黒いウワサもあるのだった。結局ドジな看護士の…

「春期限定いちごタルト事件」(米澤穂信)

小鳩くんと小佐内さんは、同じ中学から高校へと進学する際、逆高校デビュー(?)で「小市民になること」を目指す。そのためにお互いの暴走を抑えるという名目でよく一緒にいるが、決して恋愛関係ではない。そんな2人だが、「日常の謎」は2人をほうってお…

「きらめくジャンクフード」(野中柊)

小説中心に書いてらっしゃる野中さんの、ジャンクフード限定食べ物エッセイです。実は私、野中さんの小説気にはなってたんですが、まだ読んだことないんですよね…。最初に読んだ作品が食べ物エッセイとは、私らしいと言うかなんというか(笑)。 アメリカ人…

「女子と鉄道」(酒井順子)

「負け犬の遠吠え」が数年前に大ヒットした、酒井順子さんのエッセイです。私この方のエッセイが大好きで、ほとんど読んでるんですが、まさか鉄道ネタで来るとは思いませんでした(^_^;)ご本人は「私なんてまだまだ鉄道マニアとはいえませんが」なんて書いて…