「図書館の水脈」(竹内真)

作家の「私(甲町)」は、書こうと構想を練っていた小説が村上春樹の「海辺のカフカ」と似ている上、こちらの方がずっと面白いことにショックを受け、ふらりと一人旅にでる。一方、美容師の卵のナズナと客として出会ったワタルは、ナズナが「海辺のカフカ」を元にした名前を名乗っていたことがきっかけで付き合い始める。「私」の道中と、作家になったきっかけとなるかつて図書館に寝泊りした学生時の物語が進み、また一方、ナズナとワタルは付き合いを深めていく中で「海辺のカフカ」ゆかりの地・高松への旅行を計画する。2つの物語が交錯するところとは…?
こちらは初めて読む作家さんで、タイトルにひかれて手にとりました。なので、「海辺のカフカ」トリビュート(?)モノとは全然知りませんでした!私村上春樹苦手なんですが(ごめんなさい)、この作品はたまたま読んでたんですよね…ハルキストの友人に薦められてて(笑)。読んでなかったら、たぶん全然わからなかったと思います。ストーリーはトリビュートだからあんまり深さなんかはないかもしれませんが、深夜の図書館のシーンや、具体的な本の名前がたくさん登場するところなんかは、本好きにはたまらないんじゃないでしょうか。