「震度0」(横山秀夫)

阪神大震災の起こった同じ日、N県警の警務課長・不破が失踪した。本部長・椎野(警察庁キャリア)は不破に自らのスキャンダルのもみ消しを依頼していたところだったため、その失踪の真相におびえ、不破の直属上司にあたる警務部長の冬木(警察庁若手キャリア)は自らの今後の出世の支障にならぬよう、部内内々で解決しようと隠蔽を図る。それに加え、地元ノンキャリア組である各部長のそれぞれの思惑も絡み、N県警トップの人間関係が浮き彫りにされつつ、事件は少しずつ思わぬ展開を見せていくが…。
楽しみにしていた横山さんの長編、今回も警察モノでした。大惨事である阪神大震災は、N県からは距離が遠いため情報を集めながら出動要請を待っている状況なんですが、日に日に被害が拡大していくのが背景に挿入されつつ、保身のためそれどころじゃない県警トップたちの醜い駆け引きが描かれていく姿、すごすぎでした。出世争いってどこでもこんなんなの??

震度0

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