「孤宿の人」(宮部みゆき)

江戸時代中期、十歳の少女・ほうは複雑な生い立ちの事情から、侍女と二人で江戸から讃岐の金毘羅まで行かされることになる。ところが侍女に裏切られ、たった一人になって途方にくれていたところ、丸海藩の医家・井上家に女中として拾ってもらう。井上家のお嬢様・琴江に可愛がられ、幸せな日々をつかみかけていたが、琴江が友人であったはずの美祢に毒殺される。しかし、江戸から流されてくる大罪人・加賀殿を受け入れることになっている丸海藩では、騒ぎになるのを怖れて名家の娘である美祢の行為を隠蔽する。井上家を出されたほうは、引手見習いの娘・宇佐に引き取られたのに、藩からムリヤリ「近づくとたたりが起こる」と怖れられている加賀殿の屋敷で働かされることになるのだが…。
宮部さんは大好きなんですが、実は時代小説は苦手なのでずっと避けていたんです。今回珍しく手にとって見たのは、やっぱり「すごくいい」と聞いてしまったから(笑)。本当に、すごくよかったです。上下巻、長さを感じずにほぼ一気読みしてしまいました。最後泣きまくりでしたよ!いろいろな人が血を流すことになってしまい、どうしてみんなで幸せになれなかったのか、それだけがとても残念でした。

孤宿の人 上

孤宿の人 上

孤宿の人 下

孤宿の人 下