「最愛」(真保裕一)

地方で小児科医をしている悟郎のもとに、東京の病院から、姉の千賀子が重体なので来て欲しい、という連絡が入る。悟郎ら姉弟は、幼い頃に両親を亡くしそれぞれ別の親類にひきとられて育った上、もう10年以上も連絡をとっていなかった。そんな千賀子は、昨日入籍したばかりの新婚の身で銃で撃たれ、夫となった伊吹という男性は行方不明だという。
会わずにいた間に千賀子に何があったのか?そして姉の選んだ伊吹とはどんな人物なのか?わずかな手かがりからそれらをたどっていく悟郎だが、その過程で思いがけない過去が浮かび上がってくる…。
この設定にやっぱり興味をひかれてしまって、ぐいぐいと読み進められてしまいました。悟郎らが別々に引き取られたことが運命の分岐点となってしまったことには、ものすごくやるせなさを感じてしまいましたね…。そして、ラストでタイトルの本当の意味が明らかになります。やっぱり切ない…んだけど、私はこのオチはちょっと苦手かもしれません…。

最愛

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