「底辺女子高生」(豊島ミホ)

作家・豊島ミホさんの、文字通り高校時代を書いたエッセイです。豊島さんの小説で、「檸檬のころ」という高校生ライフを描いた作品が大好きなので、こんな作品を書ける著者本人の高校時代ってどんな感じなんだろう?と思って手に取ったんですが、「底辺」という言葉がどうなのかはわからないけど、結構キツイ…。
まあ結論から言いますと、豊島さんは高校時代、保健室登校者だったんだそうです。びっくり。「進学校の冷たさ」と、「クラス内女子社会のヒエラルキー」みたいな部分からそうなった、とのことでちらりと書かれてましたが、なんかそういう怖さ、ちょっとわかるかも…。まあ、近い世代の女子ならなんとなくわかるかな〜と思うんですが。
と言っても、全編キツいエピソードなわけではなくて、高2のときの秋田→大阪家出エピソードとか、寮生活(豊島さんは秋田の中でもかなり山奥出身なので、高校の寮に入ったそうです)のこととかは、楽しく読めました。でも、本1冊になるだけの内容を数年後にも生き生き書けるなんて、やっぱり作家さんになる人は観察眼が違いますね★最後の卒業式のところは、私もちょっと泣けちゃいました。
そうそう、この本のイラストは全部豊島さん自身が描いてます。上手いなー。いい味でてます★

底辺女子高生 (幻冬舎文庫)

底辺女子高生 (幻冬舎文庫)