2008-01-01から1年間の記事一覧

「有頂天家族」(森見登美彦)

京都の狸の頭領であった、私の父・下鴨総一郎は、「金曜倶楽部」という人間たちの忘年会で、狸鍋にされて食われてしまった。その父が遺した、私・矢三郎を含む下鴨四兄弟は、偉大な父の後を継ぐにはイマイチ小物ぞろいであった。しかし、新しい狸の頭領を決…

「同級生」(東野圭吾)

高校生の「俺」・西原の部活のマネージャー、由希子が交通事故で死んだ。彼女は「俺」の子どもを妊娠していた。残された「俺」に出来ることは、彼女の恋人だと名乗り出て、彼女の死の原因になったと思われる人物を、公然と糾弾することだった。 ところがその…

「ホルモー六景」(万城目学)

名作(笑)「鴨川ホルモー」のスピンオフ?になる短編集です。もう、これはすばらしい!ただのシリーズには終わってません。「こんなテイストでも書けるんだー」と感心させられることしきりでした。あ、ホルモーの設定の説明はあまりされないので、先に「鴨…

「赤朽葉家の伝説」(桜庭一樹)

鳥取にある紅緑村の名家、赤朽葉家。サンカの一族からなぜか村に置き去りにされ、長じて赤朽葉家に望まれ嫁となり、その不思議な能力から「千里眼奥様」と呼ばれた、祖母・万葉。 1966年丙午の年に生まれ、その生まれを象徴するかのごとく暴れまわった少女時…

「1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター」(五十嵐貴久)

1995年、44歳の美恵子は息子が高校受験に落ちて浪人を決めたことから、なんとなく家庭内がぎくしゃくし、居心地の悪さを感じていた。そんな折、幼なじみのかおりから借金を頼まれ、それを口実にコンビニのパートを始める。 ある日、そのコンビニで万引…

「小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所」(アンソロジー)

おなじみ「こち亀」の短編を、人気作家7名(大沢在昌・石田衣良・今野敏・柴田よしき・京極夏彦・逢坂剛・東野圭吾)が書いた企画アンソロジーです。基本的には、両さんたちを自分の人気シリーズのキャラと絡ませて事件解決(?)ってパターンが多いですね。…